AWAJISHIMA NO HAMO | from 2018.06.01

脂がのってる秋の『もどり鱧』
夏とは違った趣向をお楽しみください。

Pike Conger. Our flagship menu. Enjoy the combination of hamo and onion.

秋の『もどり鱧』とは

鱧は夏にお腹に卵を抱えはじめ、8月下旬に産卵をするケースが多い。お腹に卵を抱えていると、自らが食べた餌の栄養分の多くは卵にいきわたる。この点では人間の母親に近いかもしれない。そのため、この状態の鱧の身は比較的あっさりしていると言われる。

産卵を終えたあとでは、お腹に卵はないので自らが食べた餌の栄養分は自らの体に行き渡る。そのため、産後一定期間を経た鱧は脂がのってくる。目視で確認できるほどの脂具合で、この時期の鱧を『もどり鱧』と称することが多い。時期は年によって多少の前後はあるが、9月下旬から11月下旬にかけてが『もどり鱧』の時期とされている気がする。

日本料理ではこの時期の脂がのった鱧と松茸を『季節の出会いのもの』として土瓶蒸しで提供することが多い。

余談ではあるが、冬に一度鱧を買って食べてみた。この時期の鱧には味というものが全く無くて、ただのタンパク質を食べているように感じたのが衝撃的であった。魚の味とは季節によってこうも違うのかと思わせられた次第である。

鱧おとしたて

『鱧おとしたて』

鱧料理の定番『おとし』
お湯に落として、氷水で〆て梅肉で食すのが定番。調理工程は至ってシンプル。

そのシンプルさゆえに、美味しく作るためには、茹で加減に注意を払ったり、梅肉や酢味噌を丁寧に作って、味を管理したり。 何より『出来立てを迅速にお客様に届ける』が大事と考えて、調理工程に落とし込んだ一品です。

『鱧おとしたて』と名前がついた由来です。

【夏との違い】
■食べ方
(夏)酢味噌と梅肉で食す
(秋)こゝちよのポン酢で食す

■作り方
(夏)お湯に落として氷水で〆る
(秋)お湯に落とすが、氷水では〆ない

火取り鱧

『火取り鱧』

熾(い)こしたての紀州備長炭に鱧の皮面を直接のせて焼く。 チリチリと心地よい音を立てながら、身が縮んでいく様は見た目にも楽しい。

炭の香り、焼立ての香ばしさを感じながら味わっていただきたい一品。

【夏との違い】
■食べ方
(夏)自凝雫塩(おのころしずくしお)と酢橘で食す
(秋)玉ねぎ醤油で食す

八寸

『八寸』

鱧コースなので、鱧料理が続きます。中休みてきな位置付けで、鱧を使わない献立を組み込みました。 中身は季節により異なります。

鱧と万願寺の鶴亀揚げ

『鱧と万願寺の鶴亀揚げ』

鱧を白身を鶴、万願寺の緑を亀と見立てて『鶴亀揚げ』と銘打ちました。こゝちよでは、太白胡麻油を贅沢に使って丁寧に揚げています。

胡麻油の香り、鱧の旨味が感じられる一品。

【夏との違い】
■作り方
(夏)天ぷらは『デカイ方が旨い』という大将の偏見により巨大にカット
(秋)全体的なボリュームバランスを考え、夏よりは小さめにカット

■食べ方
(夏)自凝雫塩(おのころしずくしお)で食す
(秋)天出汁で食す

秋の鱧料理

9月1日から11月30日:11,000円(税込・サ別)